そして、今。 / 2019.06.15

どのバターを使うかを決めかねて迎えた週末の朝。

焼き上がったホットケーキにメープルシロップをかけたら、思いの外ぐんぐんと生地に吸い込まれていってびっくり。

けれど、そのおかげで沁み込んだメープルと溶けたバターが、ナイフを受けるたび存在を示してきて3倍美味しい。

土砂降りの雨の音も、休日に家の中で聴くのは悪くない。今日も仕事に出ているはずの同僚もいるから、同情しつつも、せっせと収穫したてのルッコラを洗い、虫がついていないか確認したりレタスを水切りしたり…。

こういう朝食を準備して、ふと思い返すことがある。

「実家を出ていないとできないだろうな、こういう朝ごはん」

母は料理が好きとは言えないと思う。聞いたこともないが。ティーセットなどは好きだし、ワイングラスに1万とか出して買ってきたりするタイプではあるが、テーブルセッティングを楽しむようなタイプに見えない。特に父が徹底的に邪魔をするはずである。

本当はしたいが長年の生活がそうはさせなかっただけ、という可能性はじゅうぶんあるが…。

サラダにホットケーキ、上等なバターにメープルシロップ。

実家に暮らした約30年、ついぞ見たことのない光景ではないか。

サラダ一つ取っても、これはレタスとキュウリの盛り合わせかもしれないが、サラダではない……。というものが並んだ。

しかも、夕食に、だ。朝食ではありえない。

これぞ和朝食だね、という代物が出るわけではないし、それすらもやっぱり実家を出てからの方が、旅館の朝食並みに小鉢を並べたりなんかしている。

実家も両親も大好きだが、私は家を出てつくづく生活を楽しめるようになったと心より思うのである。

特に、3年ほど前に、この生活が弾けて消えてしまいそうな事態があったので、今無事にこのような朝を迎えると、改めて感じ入るものがあるのでしょう。

実家暮らしで今のようにバターを保有していたら、気付いたら無くなっている恐れすら…あるしな。

次なる野望は、広めのキッチン、かなー。

あ。

今朝はカルピスバターでいただきました。

何度見ても白さに驚く、カルピスバター。

粉はこちら。

安定の美味しさ。

ご馳走様でございました。

スポンサードリンク