失敗は、早めにしておいたほうがいい。

探究する / 2019.02.04

フィナンシェは、金融家という意味で、銀行家のメディチ家を象徴する菓子だとか。 メディチ家系お抱えの料理人たちは嫁ぐご主人と共にヨーロッパに様々な美食の種をもたらしていったのだろう。

金の延べ棒の形だから、お菓子の顔となる面は底面。

型から出した時の菓子の顔を見れば美味しく出来たか分かる、と河田氏の本にあった。

 

一方、それ以前に、フランスのアルザス地方のナンシー修道院で生まれたヴィジタンディーヌがフランスにはあり、フランスの伝統菓子はこちらと言えるようだ。

ヴィジタンディーヌは、思わず修道女たちが作ったんだねと頷ける、花を象っている。

 

たいてい歴史を紐解けば「所説あり」がくっついてきて、何が何だか探れば探るほど分からない。

ヴィジタンディーヌとフィナンシェの違いは卵白を泡立てるか否か、と書かれているものもあるが、フィナンシェとしてのレシピですら、両方存在している。

 

名前はもうなんだっていい。

初めて出会ったあの時、その菓子がフィナンシェと名乗ったのだから、私はフィナンシェでいく。 レシピ本では、ヴィジタンディーヌとなっていても、同じようにこの場所で語ったりする。

 

さて、卵白を泡立てるか否かのように、ベーキングパウダーを入れるか否か、バターを焦がしバターにもしないレシピも存在する。

焦がしバターが特徴だと思っていたが…! そんな風に、ひとつひとつ材料をどうするかこだわっていこう、2回目はどうしよう、と思いつつ、フィナンシェの材料をひとまとめにしておこうと、整理を始めたところ気付いたことがある。

 

グラニュー糖の封が開いていない!

つまり、使われていない!

 

グラニュー糖、入れ忘れた!!!!!

 

初めてのフィナンシェは、それはそれは甘かった。

 

4つ食べたら、歯を磨いた後も口 中甘かった。

それなのに、更にグラニュー糖を入れるのか?!パニックである。

入れなくても成立するなら入れない方向でもいいのではないか?であれば、入れていた粉糖の方が高価なので、グラニュー糖を入れるに辺り、粉糖は減らしても良い のではないか。そんなことを考えつつ、とにかく、まずは基本のレシピをきちんとやろうと決め、なんと翌日に実行。

鉄は熱いうちに打てである。

 

今回は卵2個分で作ることにして、各材料を算出。

今度こそ河田さんのレシピに忠実に…!と思ったけれど、なんと、バターが10g足りない。

…バターはフィナンシェの命。そして私は無類のバター好き。

バター感の薄いフィナンシェなんて!である筈なのに、私は作ることにしてしまった。

 

今回は、グラニュー糖を入れるとどうなる?ど こまで甘くなるんだ?そこが一番だと言い聞かせる。ベーキングパウダーを入れたのを半分も同様に。

結果がこれである。

ベーキングパウダーを入れすぎたかもしれないと、生地を混ぜている時、焼いている時にも思ったのに、溢れてはくるが膨らまない。

 

なぜだ?

 

首をかしげておった私 に同居の者が言った。

 

「河田さんのレシピは、膨らまないようにしているから無理じゃないか」

 

と。

そういえば、気泡をつぶすように、とか生地を殺す、なんていう言葉も出てくる。

膨らまないように、という直接的な表現まである。なるほどである。ベーキングパウダーを入れるなら、最後の最後、型に半分投入した残りに、なんてやっても意味はないに違いない。

 

次回は途中で分けるとか考えるのは止める。別々に作るべきなのだと納得。

そして、グラニュー糖を入れると、焼き色もつきやすくなるようだ。そもそもうちのオーブンの癖を理解していなかった。

こんなにも奥と手前で焼き上がりが違うのか。更に、生地の質感や表面の肌理等が全然違う。生地のもろもろ感も知ったもの に近づいた。

けれども、しっとり感はこの第2弾には全然ない。

なんてことだ。バター10gの影響 がこうなのか?混ぜ方など、他のに原因があるのだろうか。

かなり食べ応えのある触感に味わい。これはこれで非常に好きな味、けれども断言できる。

 

フィナンシェじゃない。

 

しっとりしていて、甘いだけじゃない、アーモンドの香り豊かな私好みのフィナンシェへの道程は遠い。

 

 

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